ウツギ「ラズベリーサンデー」

ラズベリーサンデーは、ウツギ「マギシエン」と中国原産のウツギを交配して生まれたものだそうです。ネット上の商品説明を見ると、「コンパクト」「分枝性が良い」「花が咲き乱れる」などの園芸家が聞きたい言葉が並んでいますが、私の経験から判断すると全部嘘です。

私のラズベリーサンデーは、長さ190㎝の不格好に曲がった枝を出して、そこから出た横枝が数本しかなくて、長いものでも10㎝ぐらいでした。途中でメインの枝を切っても横枝を促す効果は限定的でした。要するに分枝性が悪いのです。

そして「小型品種」とも言われるラズベリーサンデーは、葉っぱがヒメウツギよりも数倍大きくて（写真参照）害虫の好物でした。花は「写真を撮ろう」と思わせるほど大したものではなかったため、私は花の写真を持っていません。「あなたがラズベリーサンデーに劣悪な生育環境を与えたのでは？」と思われるかも知れませんが、そのすぐ近くにクチナシ、ヒペリカム、キソケイなどが植わっていて、みんな元気です。ウツギはこれらの植物以上に強健なはずです。

ラズベリーサンデーは、はっきり言って植える理由が見当たりません。コンパクトさなどの特徴で評価すれば、ヒメウツギはラズベリーサンデーより遥かにいい庭植物です。植物の開発者に、価値の低い新品種を市場に送り出すのを止めてほしいです。